オタクデザイナーの備忘録

オタクデザイナーの備忘録です。

アイドルマスターsideM『S.E.M』に救われたオタクの話

題名の通り、今回は2次元アイドルコンテンツ「アイドルマスターsideM」(以下エムマス)の話。

 

 

『S.E.M』(読み方はセム)というのは、エムマス内におけるユニットの名前。

とりあえずニコニコ大百科ピクシブ百科事典のリンクを貼っておきます。 

dic.nicovideo.jp

dic.pixiv.net

 

 

「元医者」「元自衛官」…何かと個性豊かなエムマスのアイドルだけど、S.E.Mの3人は元教師。

そして平均年齢28歳、事務所内で最年長。世の中30代~の男性アイドルは多くいるけれど、彼らは平均年齢28歳の時点でオーディションに挑みデビューを手にした、異色中の異色ユニットだ。ちなみにこの「年齢」という要素が、この記事において後々大切な要素となってくる。

 

S.E.Mがアイドル活動を通して伝えたいのは、いつも「何かを始めるのはいつだって遅くない」ということや、「夢や情熱を傾けられるものがある素晴らしさ」

S.E.M自身が全力でパフォーマンスに取り組み、そしてそれを楽しむことで、見る人にもその気持ちが伝わってほしいと願いながら日々仕事に打ち込んでいる。

 

そんな彼らに、何を救ってもらったか。

 

 

 

エムマスやS.E.Mにハマったとき、私は23歳で大学4年生だった。一浪して美術大学生になっていた。

そして無事に就職先も決まって、日々忙しいながらも充実した毎日を過ごしていた。

就職先は、とある会社のデザイナー職。絵を描く仕事に就くのは6歳の頃からの夢で、社会人になることはきっと大変なこともいっぱいあると思うけれど、とても嬉しいことだった。

 

けれど。

学外の同年代の友達は皆社会人で、そろそろ結婚どうしようかなーなんて話し始める、そんな年頃だった。

早い話が、皆落ち着きはじめてきたのである。

 

私はというと、17年越しにやっと手に入れたなりたかった仕事。仕事以外にも、社会人から挑戦してみたいこともたくさんあった。もういい歳かもしれないけれど、まだ結婚とかは具体的なビジョンではなかった。

周囲との温度差を感じてしまった。

なんとなく気づかないフリをしてたけど、本当は自分は変なんじゃないか。周りは皆大人なのに、自分だけ夢を語る子供のままなんじゃないか。そんな気持ちに、押しつぶされそうになっていた。

 

 

そんな中、エムマスのライブがあった。「THE IDOLM@STER SideM 3rd STAGE」(通称サドライ)。

私は2/3と2/4の幕張公演にライブビューイングという形で参加した。

 

私の「推し」のS.E.Mは、アニメ初披露の新曲『From Teacher To Future!』を引っさげて登場した。

この曲は、チャレンジする若者に向けたS.E.Mの応援歌だった。

www.youtube.com

 

そこで度肝を抜かれたのが、サビのラインダンスだった。

 

先述の通り、S.E.Mは平均年齢28歳。3人中2人が30代。ぶっちゃけて言うといい歳したオジサンたちが、全力で歌って、踊って、汗ビッショリになりながらラインダンスをしていた。(実際舞台に立っていたのは全員20代の中の人だけども)

そこで彼らはサビでこう歌う。

 

To Future!

追い掛けたいと思うことに
遅すぎだなんて言わせない
その為になりたいんだ…
Your Star!

 

家に帰ってめちゃくちゃ泣いた。泣かないわけがなかった。

まだやりたいことがあるのに、それを出来る環境にいるのに地団駄を踏んでいた私を、S.E.Mは後押ししてくれた。

オジサンたちの全力のパフォーマンスは、本当にカッコよかった。

S.E.Mの3人は元高校教師なので、強いていうならば彼らがメッセージを送りたいのは10代の若者かもしれない。

けれど20代の自分も今、S.E.Mが応援したいと思っている「生徒」のひとりなのだと、強く感じた。

 

まだ追いかけてもいいんだ、これからも走っていいんだ、と思ってまた泣いた。

 

 

 

S.E.Mのリーダーの硲(はざま)道夫…硲さんは、エムマス最年長の32歳。しかも32歳でアイドルデビュー。

いつも若者にエールを送りたいと全力のパッション溢れた人。

 

山下次郎…次郎ちゃんは30歳。元々アイドルになるつもりはなかったし、ちょっと自分に自信は無さげ。

けれど「全力って楽しいじゃん」「いくつになってもスタートは遅くないじゃん」なんて言いながら、いつも舞台に立ってくれる。

 

舞田類…ネットのファンからのあだ名はまいたる。彼は23歳。グループ内では若め。

彼はいつも楽しそうにパフォーマンスをしていて、見ているこちらまで楽しい気分にさせてくれる。

 

彼らのユニット専門衣装は宇宙服モチーフで(アニメではPに「ちょっとヘンテコ」だなんで言われている)、なおかつ代表曲の「Study Equal Magic!」のダンスや歌もスタイリッシュというよりは楽しいイメージのものなのだ。結果的にコミカルな印象が前に出がちではある。

だがまたアニメのPが言うように「大人がこれを全力でやるから格好良い」のだ。

彼らの魅力のひとつは「全力の泥臭さ」である。

 

S.E.Mメイン回のアニメ5話は、ファンの心理を代弁しすぎているので正直私が語ることが無い。5話を見てください。

 

 

 

エムマスのアイドルの皆の目標は、(自分の何らかの目的を叶えるために)トップアイドルになること。もちろんS.E.Mの3人も例外ではない。

DRIVE A LIVEの歌詞『終わらない夢の続き』にあるように、彼らの新しい夢はまだまだ始まったばかりで、これからもきっと輝き続けてくれるはずだ。

私は彼らのようにステージの上に立って輝くことは出来ないけど、私にも私の輝けるステージがあると思わせてくれる。

 

ありがとうS.E.M。これからもプロデューサーでありファンでいさせてください。

 

 

 

※あくまで個人の考察です。

 

※散々S.E.Mは「こちらを『応援してくれる』がテーマのアイドル」と語ってきたが、最年長ユニットという強みを生かした「サ・ヨ・ナ・ラ Summer Holiday」という色気がとんでもない恋愛ソングも歌っているのでそちらも聞いてください。お願い。